地域市民演劇研究のブログ

科研基盤(B)「現代日本の地域市民演劇の諸相」のブログです。

日比野啓編『地域市民演劇」の現在──芸術と社会の新しい結びつき」が刊行されます。

 

 

当研究課題の前身である科研基盤(B)「日本の地域素人演劇の包括的研究」(代表:小田中章浩)の調査・研究成果を総括した本が出版されます。

当研究グループからは、日比野啓、本橋哲也、鈴木理映子、舘野太朗、片山幹生、五島朋子、畑中小百合の7名が寄稿しています。

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昔からある「むら芝居」や「素人歌舞伎」だけではない──。
宝塚のコピー劇団や女子校のミュージカル、学習塾の演劇祭、高齢者による演劇、大阪・釜ヶ崎の住人による紙芝居劇団など、現在のアマチュア演劇の活動は非常に多様化している。
今日各地で活動する、さまざまな劇団や演劇集団の実地調査をもとに、地元に密着した市民演劇の活動、地域社会や行政との関係を明らかにし、芸術と社会の新しい結びつきをさぐる。

■目次
【総論】
第1章「素人演劇」の現在 様式・教育・コミュニティ=日比野啓

【I「地域市民演劇」と様式】
第2章「名もなき民の/声なき歌を/道に立つ人よ/風に解き放て」 パブリック・ヒストリーとしての「現代版組踊」=本橋哲也
第3章 宝塚風ミュージカル劇団のオリジナリティ 鈴木理映子
第4章 地芝居(素人歌舞伎)の現在 舘野太朗

【II「地域市民演劇」と教育】
第5章 赤門塾演劇祭 学習塾を母胎とする演劇創造=片山幹生
第6章 「女子校ミュージカル」の絆=舘野太朗
第7章 市民ミュージカルの興隆 日比野啓

【III「地域市民演劇」とコミュニティ創生】
第8章 地域共同体における「素人演劇」 神社祭礼との関わりから=畑中小百合
第9章 超高齢社会における高齢者演劇の展開 「老いの空白」を豊かにするもの=五島朋子
第10章 「弱さ」とともにある表現 紙芝居劇団「むすび」=中川真